小麦粉の価格が変わります。
ここ最近の物価高に少しの兆しが見えました。今年の冬から小麦粉の価格が下がります。身の回りの物が値上がりする中で朗報とも言うべき話です。しかし小麦粉ってどのように決められているか疑問に思いました。そこで自分でいろいろ調べてまとめてみました。
小麦粉の価格の決め方
日本の小麦は、まず政府が海外から輸入しています。輸入した小麦の買い付け価格に港湾諸経費、マークアップ(政府管理経費や国内産小麦の生産対策に割り当てる経費)などを上乗せして国内の製粉会社へ売り渡します。そして製粉会社は政府から仕入れた小麦を製粉しスーパーなどを経て消費者のもとへ渡されます。小麦粉の価格は以下の部分で構成されています。
- 買い付け価格
- 港湾使用料
- マークアップ
- 製粉コスト
- 流通コスト
小麦粉はどのくらい輸入されているのか
小麦は政府が管理するほど重要で、国内消費量の約85%を占めています。85%のうちアメリカ産が約43%、カナダ産が38%、オーストラリア産が19%の割合となっています。もう目に見える小麦粉は輸入と考えても差し支えない位ですね。
ちなみに国内産の小麦粉は国内消費量の輸入分を差し引いた約15%のうち、約60%が北海道。
福岡県、佐賀県、熊本県を中心とした九州が約17%。
群馬県、埼玉県、茨城県を中心とした関東圏が約9%。
愛知県、三重県を中心とした東海が約8%。
このようになっています(2022年産)
北海道では畑作の輪作体系を支える基幹作物となっており、都府県では水田の転作や裏作作物として農地の作付体系を支える重要な作物となっております。
小麦粉の価格が下がった理由
そしてなぜ価格が下がったか?それは国際相場が下がったことが大きいです。
シカゴ相場というアメリカで最も取引量の多い商品取引所で形成される農産物の取引価格が国際的な指標になっており、ここでの取引価格が下がると価格が引っ張られます。
最近まではロシアによるウクライナ侵攻により国際価格が上昇したのが大きく影響していましたが、戦況が落ち着いてきたようで国際価格が進行前まで戻ってきています。
そして今年はアメリカの小麦が豊作とのことも影響しているようです。
消費者への影響
今回下がったことによりどのくらいの影響があるかをまとめました。あくまで概算ですので参考までに。
- 食パン1斤あたり約2円
- 中華麺(外食1回あたり)約1円
- 調理パン(1個あたり100グラム使用した場合)約1円
- 小麦粉1キロあたり約13円
今後の状況
今回の値下げは政府の買い付け価格が下がった事が影響しています。
しかし船で運んでいる以上、原油相場の影響を受け運賃の上昇が見込まれます。
港湾使用料や製粉会社の製粉コストなど価格が上がる状況は捨てきれません。
そしてここ最近は円安に進んでいる事もあり、さらなるコストアップも考えられます。
まとめ
小麦は政府が輸入し、製粉各社が製粉後、消費者へ渡る流れを書きました。
小麦粉はさまざまな影響を受けて価格が決まります。まだまだ描き切れていない部分があるようなのでこれからも学んでいきます。学んだことはまた改めて書き足したいと思います。
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